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レンジ相場続くドル円【フィスコ・コラム】
2019/6/23 7:00
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*07:00JST レンジ相場続くドル円【フィスコ・コラム】 2019年は間もなく折り返し地点。前半戦はアメリカの利下げに思惑が広がる意外な展開となりました。ドル・円は昨年よりもさらに値幅の薄い取引が目立っていますが、どのような背景があるのでしょうか。 6月第2週(10-14日)の外為市場で、ドル・円は現在の状況を象徴するような値動きとなりました。108円台の前半は押し目買いで下値が堅く、同後半では利益確定売りで上値が重く、狭いレンジ内での取引。この週の高安の値幅は平均39銭にとどまりました。18-19日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)を前に様子見ムードが広がり、動意の薄い相場となりました。 今年のドル・円相場は1月3日のアジア取引時間帯の早朝、米アップルの業績予想の下方修正をきっかけに急落し、108円後半から一時104円付近まで値を切り下げました。昨年がレンジ相場となった反動もあり、市場では「波乱の幕明け」に期待と不安が入り交じって相場は活気づきました。しかし、それもつかの間、昨年同様に値幅の薄い展開が続いています。 今年前半のドル・円相場を振り返ると、おおむね108-112円を中心に方向感の乏しい値動きとなっています。1月と6月は108円付近で下げ渋り、3月と4月は112円前半の売り圧力に上昇を阻止されました。終値ベースではここまで高値112円18銭(4月24日)、安値107円21銭(6月20日)の高安5円弱。1月3日の「フラッシュ・クラッシュ」を参考データとするなら、昨年前半の9円弱の値幅を下回ります。 連邦準備制度理事会(FRB)は6月のFOMCで、市場の予想通り政策金利の据え置きを決定しましたが、当局者の半分が利下げが妥当とみていることが明らかになっています。ただ、消費者物価指数(CPI)は確かに鈍化が示されているものの、国内総生産(GDP)は3%台、失業率は半世紀ぶりの低水準で推移しており、つい半年前まで「利上げ」をしていた国とは思えません。 トランプ大統領がアメリカの政策金利は「高すぎる」と批判していることを考慮すると、年内は複数回、現時点では7月30-31日、9月17-18日の会合で利下げに踏み切るとみられます。利下げサイクルに入ればドルには下落圧力がかかるので、今後のドル・円の想定レンジは108-113円から105-110円に切り下げざるを得ません。ドル・円は観測通りに下落トレンドに向かうはずです。 ところが、日本のメーカーは2020年3月期決算の期初の想定レートを円安方向に設定していることが明らかになりました。東京商工リサーチのまとめによると、国内の主要128メーカーのうち、約6割が110円としています。前年同期では105円に設定していたところが6割を占めていましたが、昨年はややドル高・円安方向に振れたため、今期はドルをやや高めに見積もっているようです。 利下げサイクルでドルに下方圧力がかかるものの、景気減速が顕著になった欧州やオセアニアの通貨の方がさらに売られやすいため、ドルが選好される地合いは今後も続きそうです。とはいえドルへの選好度合いは低下している、というのがドル・円の値幅をさらに縮小させている要因かもしれません。 (吉池 威) ※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。 《SK》
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