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押し目狙いのタイミングを探る

2023/7/10 8:26 FISCO
*08:26JST 押し目狙いのタイミングを探る  10日の日本株市場は、売り一巡後の底堅さを見極める相場展開になりそうだ。7日の米国市場は、NYダウが187ドル安、ナスダックは18ポイント安だった。7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ再開を警戒した売りが続くなか、6月雇用統計で雇用の伸びが予想以上に鈍化したためピーク金利に近づいたとの見方からいったん下げ止まった。しかし、追加利上げ観測は根強く、長期金利も上昇に転じたため、終盤にかけて売りが強まるなか、ダウは下げ幅を拡大し終了した。シカゴ日経225先物清算値は、大阪比35円高の32465円、円相場は1ドル142円20銭台で推移している。  シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、小動きで始まることになりそうだ。日経225先物はナイトセッションで一時32200円まで売られ、ボリンジャーバンドの-1σを下回る場面が見られた。いったんは自律反発が意識されやすい水準ではあるものの、引けにかけてはパッシブ型ETFの決算に伴う分配金捻出のための売り需要が見込まれるなか、積極的な売買は手控えられやすいだろう。7日の決算による影響では後場半ば辺りから下落幅を広げており、日経平均は後場の安値で取引を終えていた。本日の決算に伴う売り需要は約1.8兆円と観測されており、手掛けづらい相場展開だろう。  ただし、本日のまとまった売り需要に向かう形で、押し目待ち狙いの買いが意識されやすい。また、投機筋による先回り的な売り方においても買戻しを入れてくるタイミングであろう。決算通過後の需給改善も意識されやすく、引けにかけての売り需要を警戒しつつも、押し目狙いのタイミングを探ることになりそうだ。先回り的な売りの積み上がりに加え、押し目待ち狙いの買い意欲が強いようだと、売り需要を吸収しての反発の可能性もあるだろう。  もっとも、今週は米国で消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数(PPI)などのインフレ指標の発表が控えていることもあり、積極的な上値追いの流れは期待しづらいところでもある。そのため、インデックスに絡んだ商いを避ける流れから、直近IPO銘柄などに個人主体の資金が向かいやすいだろう。また、今週は小売企業の決算発表が予定されている。経済活動の正常化によって外食産業などの回復が顕著に表れているなか、先回り的な買いも意識されやすい。そのほか、週末には米国で金融株の決算発表が予定されていることもあり、メガバンクなどへの物色にも向かわせそうだ。 《AK》