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日経平均は続落、TSMC決算受けて半導体株の先行きに不透明感

2023/7/21 12:16 FISCO
*12:16JST 日経平均は続落、TSMC決算受けて半導体株の先行きに不透明感  日経平均は続落。72.60円安の32417.92円(出来高概算6億2025万株)で前場の取引を終えている。  20日の米株式市場でダウ平均は163.97ドル高(+0.46%)と9日続伸、ナスダック総合指数は-2.05%と4日ぶり大幅反落。週次失業保険申請件数が2カ月ぶりの低水準となり景気後退懸念の緩和で買いが先行。良好な企業決算も支援材料にダウ平均は終日堅調に推移。一方、金利の大幅上昇やテスラなど一部ハイテク決算への失望感でナスダック指数は終日軟調だった。米株安を受けて日経平均は153.66円安からスタート。半導体などハイテク株を中心に序盤は売りが先行し、一時32080.95円(409.57円安)まで下げ幅を拡大した。ただ心理的な節目を前に切り返すと、為替の円安や景気敏感・ディフェンシブなセクターへの買い、一部企業の好決算を支援材料に前引けまで下げ幅を縮める流れとなった。  個別では、台湾積体電路製造(TSMC)の決算が嫌気され、レーザーテック<6920>、東エレク<8035>、スクリン<7735>などが大きく下落。イビデン<4062>、太陽誘電<6976>、安川電機<6506>などハイテクも軟調。一方、ディスコ<6146>は市場予想を下回る決算だったが単体速報で織り込み済み、生成AI(人工知能)関連需要へのコメントなどが好感され朝安後に上昇に転換。予想を大幅に上回る好決算となったニデック<6594>は大幅高。業績予想を上方修正したGenkyDrugStores<9267>、アルインコ<5933>、スイスの製薬企業の日本事業を買収したそーせい<4565>、国内証券の新規買い推奨が確認されたミダックHD<6564>などは急伸。ほか、NTT<9432>、KDDI<9433>の通信、武田薬<4502>、第一三共<4568>の医薬品、INPEX<1605>、JFE<5411>、クボタ<6326>の景気敏感、マツダ<7261>、三菱自<7211>の自動車が堅調。  セクターで海運、金属製品、銀行が下落率上位に並んでいる一方、医薬品、電気・ガス、パルプ・紙が上昇率上位に並んでいる。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の46%、対して値上がり銘柄は49%となっている。  前日の米株式市場ではナスダック総合指数が-2.05%、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が-3.62%と久々に大幅な下落率となった。ナスダックについては電気自動車のテスラと動画配信サービスのネットフリックスの決算が市場の期待値に届かなかったことが要因の一つとして挙げられる。両社ともに株価は年始からすでに大幅に上昇していたこともあり、利益確定売りが膨らみ、テスラは-9.7%、ネットフリックスは-8.4%とそれぞれ大きく下落した。  SOX指数については、半導体受託製造の世界最大手で米エヌビディアを大口顧客にもつ台湾積体電路製造(TSMC)の決算が大きな要因だ。TSMCは前日に第2四半期(4-6月)決算を発表。四半期ベースでは約4年ぶりの減収減益となったが、売上高や利益は市場予想を上回った。しかし、7-9月期のガイダンスは主要項目が軒並み市場予想を下回った。また、2023年12月期通期の売上高について1桁の前半から半ばの減少としていた計画を10%前後の減少に下方修正した。生成AI(人工知能)で盛り上がっていた半導体株ブームはいったん小休止となりそうだ。  一方、前日に第1四半期(4-6月)決算を発表したディスコ<6146>は下げ渋って上昇に転じている。営業利益は前年同期比21.4%減と市場予想を下振れたが、先んじて発表済みの単体速報で概ね織り込み済みだったようだ。一方で、7-9月期の出荷額ガイダンスが期待値を上振れたこと、生成AI関連需要が早ければ第3四半期(10-12月)には出荷に貢献してくる可能性が示されたことが好感されたようだ。  ただ、ディスコは生成AI関連需要の具体的な規模については非開示としており、依然として期待先行の印象が強い。パワー半導体という強力な支援材料がもう一つ備わっていることもあり、ディスコの決算反応を半導体株全体に当てはめない方がよいだろう。  他方、本日の日経平均は寄り付き直後に400円超安となったところから切り返し、ほぼ下げを帳消しにしてきている。為替の円安効果も大きいが、ダウ平均の連騰劇を受けて景気敏感セクターに買いが入っていることが半導体株安の影響を和らげているようだ。医薬品や電気・ガス、建設、食料品などディフェンシブなセクターも買われており、東証プライム市場の騰落状況をみても値上がり銘柄数が僅かながら値下がり銘柄数を上回っている。  ただ、改めて生成AIブームで盛り上がっていた半導体株については、今回のTSMCの決算を受けて、いったん上昇一服の局面に入っていく可能性が高そうだ。半導体株は相場のけん引役であったため、チャートが悪化している日経平均などの好転もしばらく見込みにくいと考えられる。この間、本日のように景気敏感セクターやディフェンシブなセクターが買われ全体を支えてくれれば指数の下値は支えられるだろうが、こうした構図が長く続くかはやや心もとない。  来週からは国内でも企業の決算発表が本格化してくる。前日に東証プライム市場の売買代金が5月11日以来の3兆円割れとなるなど、足元では商いの低調が気がかりだ。決算シーズンにより再び売買が活発化してくるか、その際に商いを伴って日経平均やTOPIX(東証株価指数)が25日移動平均線など上値抵抗線を超えられるかが今後の焦点となろう。(仲村幸浩) 《AK》
関連銘柄 21件
1605 東証プライム
2,005
11/22 15:30
+25(1.26%)
時価総額 2,524,568百万円
国内最大の石油・天然ガス開発会社。旧社名は国際石油開発帝石。石油元売り大手などが主要取引先。イクシスLNGプロジェクトなど世界約20カ国でプロジェクト展開。再生可能エネルギーの安定収益化などに取り組む。 記:2024/07/29
4062 東証プライム
4,888
11/22 15:30
+125(2.62%)
時価総額 688,529百万円
ICパッケージ基板で世界トップシェア。1912年に揖斐川電力として創業。岐阜県大垣市に本社。自動車排気系部品等のセラミック事業も。電子事業は生成AI用サーバー向けが順調。28.3期売上6500億円目標。 記:2024/06/15
4502 東証プライム
4,113
11/22 15:30
-8(-0.19%)
時価総額 6,543,528百万円
国内製薬最大手。1781年創業。潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤など消化器系疾患領域が柱。アイルランドの製薬大手「シャイアー」等を傘下に持つ。25.3期はENTYVIO、免疫グロブリン製剤などの拡大見込む。 記:2024/06/15
4565 東証プライム
1,132
11/22 15:30
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時価総額 101,770百万円
バイオ創薬ベンチャー。膜たんぱく「GPCR」の解析技術に強み。15年買収の英国ヘプタレス社が収益の柱。24年4月に「そーせい」から社名変更。契約一時金及びマイルストン収入が伸びる。新薬の販売も好調。 記:2024/06/10
4568 東証プライム
4,435
11/22 15:30
-48(-1.07%)
時価総額 8,635,096百万円
大手製薬会社。抗悪性腫瘍剤「エンハーツ」、抗凝固剤「リクシアナ」などが主力品。かぜ薬「ルル」、解熱鎮痛薬「ロキソニンS」などで知名度高い。米メルクと戦略的提携。がん事業への集中的な資源投入を図る。 記:2024/08/26
5411 東証プライム
1,757
11/22 15:30
+7.5(0.43%)
時価総額 1,123,493百万円
国内2位の鉄鋼メーカー。日本鋼管と川崎製鉄の経営統合により発足。鋼板を中心に多数の高付加価値製品を抱え、自動車用高級鋼板に強み。価格転嫁進める。高付加価値製品比率高まる。構造改革と海外拡大も進める。 記:2024/06/25
5933 東証プライム
970
11/22 15:30
+8(0.83%)
時価総額 20,408百万円
建設用仮設機材「足場」の製造・販売・レンタルが主力。業界トップクラスのシェア。フィットネス関連製品、無線通信関連機器の販売等も。新型足場「アルバトロス」の拡販図る。27.3期売上高680億円目指す。 記:2024/06/15
6146 東証プライム
42,590
11/22 15:30
+210(0.5%)
時価総額 4,613,221百万円
半導体の精密加工装置、精密加工ツールの製造・販売を行う。1937年に広島県呉市で創業。ダイシングソーなどで世界トップシェア。パワー半導体向け中心に精密加工装置は出荷順調。生産能力の強化、効率化推進。 記:2024/06/28
6326 東証プライム
1,909.5
11/22 15:30
+10.5(0.55%)
時価総額 2,246,846百万円
世界シェアトップクラスの農業機械メーカー。1890年創業。建設機械「ミニバックホー」などで世界トップシェア。ダクタイル鉄管、水処理システム等も手掛ける。海外売上高比率は7割超。強固な販売網などが強み。 記:2024/08/27
6506 東証プライム
4,157
11/22 15:30
-70(-1.66%)
時価総額 1,108,630百万円
ACサーボモータ等のモーションコントロール、産業用ロボットが柱。1915年創業。鉄鋼用大型プラント設備、環境・エネルギー機器なども手掛ける。欧州地域のロボット生産体制を強化。販売力の強化にも取り組む。 記:2024/10/25
1,648
11/22 15:30
+1(0.06%)
時価総額 45,772百万円
産業廃棄物の収集運搬、中間処理、最終処分を行うミダックを中核とする持株会社。廃棄物処分事業の売上構成比率が高い。仲介管理事業なども手掛ける。「奥山の杜クリーンセンター」の廃棄物受託量の増加などに注力。 記:2024/07/28
6594 東証プライム
2,858
11/22 15:30
-50(-1.72%)
時価総額 3,408,362百万円
総合モーターメーカー最大手。旧社名は日本電産。京都府京都市に本社。精密小型モーター、車載・産業用モーター、商業・産業用ロボットなどを手掛ける。電動パワステ用モーターなどに強み。車載向けは収益性最優先。 記:2024/10/14
6920 東証プライム
17,280
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±0(0%)
時価総額 1,629,262百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
6976 東証プライム
2,149
11/22 15:30
-60.5(-2.74%)
時価総額 279,838百万円
電子部品メーカー。積層セラミックコンデンサ等のコンデンサが主力。インダクタや通信用デバイス、アルミニウム電解コンデンサ等も。自動車、情報インフラ・産業機器が注力市場。インダクタや複合デバイスは売上順調。 記:2024/06/11
7211 東証プライム
439.3
11/22 15:30
+2(0.46%)
時価総額 654,681百万円
SUV・4WD技術に強みを持つ自動車メーカー。仏ルノー及び日産自動車と提携。海外売上高比率は7割超。アセアンの販売台数比率が高い。26.3期営業利益2200億円目標。アセアンで新商品の連続投入計画。 記:2024/06/17
7261 東証プライム
1,003
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-2.5(-0.25%)
時価総額 633,699百万円
1920年創業の自動車メーカー。広島県安芸郡府中町に本社。トヨタと資本業務提携。人気車種にクロスオーバーSUV「CX-5」など。高効率エンジン等に強み。北米市場は販売順調。25.3期は販売台数増を見込む。 記:2024/08/30
9,067
11/22 15:30
-31(-0.34%)
時価総額 921,117百万円
半導体機器の製造、販売等を行うSCREENセミコンダクターソリューションズが中核の持株会社。バッチ式洗浄装置やスピンスクラバーなどで世界トップシェア。配当性向30%以上目安。DX推進による生産性向上図る。 記:2024/08/22
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(2.16%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
3,140
11/22 15:30
+30(0.96%)
時価総額 97,324百万円
北陸地盤のドラッグストアチェーン「ゲンキー」を中核とする持株会社。福井県坂井市に本社。店舗数は430店舗超。食品の売上比率が高い。25.6期は49店舗の新規出店を計画。既存店はスクラップ&ビルドを推進。 記:2024/08/05
9432 東証プライム
156
11/22 15:30
-0.9(-0.57%)
時価総額 14,125,849百万円
国内最大の通信会社。NTT東日本、NTT西日本、NTTドコモ、NTTデータグループなどを傘下に持つ。研究開発部門を有する点が特徴。データセンターを拡張。コンシューマ通信事業では顧客基盤の強化を推進。 記:2024/10/10
9433 東証プライム
5,030
11/22 15:30
+35(0.7%)
時価総額 11,024,985百万円
国内シェア2位の大手通信キャリア。auブランドの携帯電話が主力。沖縄セルラー電話、JCOMなどを傘下に持つ。ローソンへのTOBは成立。au PAYカードの会員数が944万人を突破するなど金融事業は順調。 記:2024/06/04